いつかあの人の事を書くときがくるのだろうといつもそう思っていた。その人は実在の人物なので実名を挙げることはできないが、まわりの皆からはみーさんと呼ばれている人だ。京都の藝術界の人間で、彼を知らない人はいないだろう。私は彼のことを早く死んで…
先生と私が知り合ったのは、弟が病気をしてすぐの頃だった。私は小学三年ぐらい、先生は三十六歳だった。弟は原因不明の難病と言われ、田舎の病院をあちこち駆け回ったけれど、どこの医者もその原因を解明する事はできなかった。母親は泣きうなだれて失望し…
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